保釈裁判が遅滞なく進むよう、弁護人に行える工夫は色々とある。
今回、布石を色々と打ちつつ、水曜・朝一番で請求した保釈案件がある。
折悪しく同日、検察官が請求証拠を追加したが、幸い、すぐに証拠意見を述べられそうだったので、その日中に被告人の了解を得て、木曜・朝一番で証拠意見を出した。木曜午前9時52分、検察は補充を行わないと宣言し、判断材料が出そろった。
のであるが、午後4時36分、裁判所は「判断は明日」と宣う。
これだけ布石を打ち、証拠の追加にも即日対応し、午前9時52分には判断材料が出そろったのに翌日送りとは何事かと、問い糺すと、「一日裁判に立会して立て込んでいる」というのである。いやいや、昼休みもあれば残業もある。応援を呼ぶ手もあるだろう。そんなことが理由になるはずはない。
そこで、次のような一節を含む抗議文を出したところ、「今日中にやります」と態度が一変した(本欄では、「やらかした」公職の方々は顕名で登場頂くことにしているが、今回の担当裁判官は、一応すぐに心を入れ替えたので、顕名にするのは止めておこう)。
「17時まで立会が続いたとしても、19時、20時と残業すれば、十分に判断出来る程度の記録量の事件である。加えて言えば、検察官が罪証隠滅を疑うべき相当の理由の程度について、およそ具体性のある主張が出来ていないこと(誰が働き掛けの対象として考えられるかすら、具体的に説明出来ない有様である)、中長期実刑が想定される事案では無いことから保釈に伴う弊害は見出せないことを踏まえると、許可方向の判断が容易であり、益々、翌日送りにする正当性は無い。なるほど、裁判官に残業を強いるのか、という声は聞こえてきそうである。しかし、国家権力により被告人を身体拘束しているのは当の裁判所なのであり、保釈制度により、身体拘束を継続する正当性が失われているとすれば、そのような権力行使を解除し、憲法の保障する人身の自由に基づき、速やかに釈放する責務があるのだから、憲法に忠実であるべき裁判官は、自らの休息よりも憲法に忠実に職責を果たすべきである。また、裁判官が休みたいのと同じ以上に、被告人は早く釈放されたいのであり、被告人の反憲法的な負荷を取り除くよりも自身の享楽を優先するような姿勢は、裁判官の資質以前に、人として、人間性を疑う。」
・・ここまで言わせないで欲しい、と思う。
保釈が切実なことと思えないでは、裁判官は務まらないだろう。
次からは、抗議文を受けるまでに、きちんと職責に向き合ってほしいものだ。
なお、検察官準抗告に際し執行停止が申し立てられ、「申立理由を確認して執行停止に反対する意見を出す」と予告したのに、「待たずに執行停止を判断する」と言われ、そのまま執行停止が認容されたことにはうんざりした(上記裁判官とは異なる準抗告合議体)。
釈放の裁判より早く帰宅することを欲する裁判官、かたや、僅かな時間も待たずに釈放を拒否する裁判を強行する裁判官。碌な奴らを飼ってないな、と思わざるを得ない。
(弁護士 金岡)

















