本欄本年6月1日付けで、「裁判所は第1回公判前、無力か?」という記事を掲載した。検察官の過失の主張が不特定であるのに、第1回公判を開くことにのみ執念を燃やす裁判官鵜飼伸洋の訴訟指揮のおかしさを指摘したものである。

この件は、いまもなお、殆ど同じ所で止まり続けているから驚きである。
なんとか、本年9月に第1回公判前準備としての打合せ期日が開かれ、検察官が可能な限り釈明に応じることになったが、その結果、公訴事実と釈明内容とで、前提とされている被告人の車速が大きく異なっていた。
そこで、このような、公訴事実と、立証方針や応釈明内容とのズレを、解消するよう求めたところ、またもや鵜飼裁判官がこれを放置したまま第1回公判を強行しようとする事態となった。

今回の鵜飼裁判官の弁は次の如くである。
「公訴事実と立証のズレについては、事前に裁判官が証拠を見るわけにはいかないので、現段階で裁判所が介入することができません」(松阪簡易裁判所、本年12月15日付け事務連絡)

それはそうだ。第1回前に証拠は読めない。しかし、誰が証拠を読めと言ったのだろうか?
公訴事実と、立証方針や応釈明内容とのズレがあるから、第1回公判から連日の集中審理を行う(刑訴法281条の6)前提として的確に防御権を行使できるよう、争点の把握、争点整理に努めろといっただけなのに。

刑訴法や刑訴規則を意に介さない、日本語の会話も覚束ない。
このような手合いに裁判を担当されることは心底、困りものである。
弁護士人生22年目に入り「1事件の忌避申立回数」の最高記録を更新しそうな情勢にうんざりしている。

(弁護士 金岡)