本欄2023年9月29日「公判準備に消極的な検察には~」の続きである。
前回記事では、違法捜査が争点化している中で「捜査過程に関わる証拠は存在しないのか」と尋ねても「お答えする必要は無い」の一点張りで、最早コントとしか言いようのない、ゴミ屑同然の検察官対応があったことを紹介した。
その後、ようやくのことで違法捜査に関する検察の主張が出され、捜査過程に関わる証拠も開示され、いよいよ大詰め、警察官の証言予定が出されるところまで進んだ。

この証言予定に、「被告人は前回逮捕時に警察官に対しAをしたので、今回~」という記載があり、そこで弁護人としては、「前回逮捕時に警察官に対しAをした」ことが記録された捜査報告書等の開示を請求したのであるが(非整理手続事案であるが、類型なら5号ロ、6号である)、検察官は僅か55分で、「任意に開示する証拠はない」という回答を寄越した。

僅か55分である。警察に確認もしていないのだろうと思われた。
そこで、存否を明確にするよう求めたところ、無視。
無視のまま、7日後に打合せ期日を迎えたが、無言。
「存否を調査するつもりはあるんですか」と尋ねると・・「任意に開示する証拠はない」とのこと。打合せ期日調書にもそのまま書けと宣う。

この検察官(前回記事と同じく、竹内亜紀子検察官)がおかしいのか、それとも検察庁が組織的にコントの練習をしているのか、分からないが・・類型該当性が明らかな証拠の存否や、存否確認の意向を尋ねられて、「任意に開示する証拠はない」と回答し続ける神経は理解しかねるし、率直に言えば、どうかしている。

これでは尋問準備が進められず、ここまできて整理手続にするしかないの?という雲行きである。
「公益の代表者」どころか、「公害の代表格」でしかない。
「公害」検察官には、無為に手続が遅延することによる被告人の負荷など、理解が及ばないのだろう。

(弁護士 金岡)