取調べ同席ではなく、出頭同行すら拒まれかけた、という話である。

当初は取調べ同席を求めたが、これを拒否されたので(合理的裁量だというなら理由を説明しろと求めるも拒否された)、やむなく最寄りに待機する方針で依頼者と検察庁に同道したところ、「弁護人は通さないように指示が出ている」と受付の方がいう。

耳を疑って直談判すると、徳永大輝検察官(本稿掲載時点で名古屋地検所属)の言いぐさは、「取調べ同席は申し入れられたが出頭同行は申し入れられていない認識」「出頭同行については原則お断りしている」「最寄りに待機して適時の助言というなら建物の外でもいいのではないか」「被疑者が一人で上がってこないなら出頭を拒否したという扱いにする」等々というものである。

「出頭同行については原則お断りしている」というのは、検察庁の方針なのか徳永検察官個人の方針なのか?と問うと、個人の方針だという。
個人の方針は結構だが、立ち入りを拒む根拠は庁舎管理権くらいだろうから、それを行使するという検事正を連れてこいと要求すると、「庁舎管理権の問題ではない」という。じゃあ徳永検察官個人が立ち入りさせない法的権限の根拠はなんだというと「説明を差し控える」と。
余りに馬鹿らしくなったので、「埒があかないから地検1階まで降りてきたらどうですか」と要求して、電話を終えた。

待たされること10分。
「いま、待機できる場所があるか調整中」との電話が入る。
とんだ腰砕けである。なにがやりたかったのか、さっぱり分からない。
この徳永検察官は、「同席できないなら15分ごとに休憩を」という申し入れに対しても、「被疑者本人が申し出なければ対応しない」「一律15分には応じられない」などと子どもじみた対応に終始していたから、同行前からうんざりはしていたのであるが、予想通りにうんざりな展開を辿ったということではある。

しかし、物慣れない弁護人なら、そういうものかと庁舎外に出てしまう、あるいは、出頭拒否扱いにおそれをなして妥協してしまう、ということが当然に懸念される。そのような弊害を考えると、(論理的に詰めていけば、まともな説明一つ出来ず腰砕けになるだけだというのに)恰も適法な公権力の行使であるかを装い、強権的な態度に出る、欺瞞的検察官の存在は、誠に忌むべきことである。

言ってしまえば、幼子に拳銃を渡すようなもので、つまり危なっかしくてしょうがない。
こういう検察官を抱えている検察庁も、お里が知れるというものである。

(弁護士 金岡)