本日、責任能力の研修に出かけるということで、なんとなく数えてみたが、今年の研修は実施予定分を含め6件程度。捜査、責任能力、整理手続、整理手続&整理手続・・というところである。毎年のことだが整理手続の研修を依頼される割合が高い(個人的には整理手続と反対尋問の研修は一体化すべきだと思うが、2~3時間で終わる代物ではないので過去の実現例は僅かである)。

責任能力分野は、弁護士登録後間もなく、当時は「好きなだけやれた」国選事件で多く遭遇するうちに否応なく研究することになり、気がついたら詳しくなっていた。駆け出しの弁護士の経験値を高めるのに持って来いだったとは思うが、駆け出しの弁護士が好き放題に担当できる国選制度というのも、考えてみたらおそろしい話である。
5年前の自分の尋問を見ても、顔から火が出る思いをするときがある。まして20年前の弁護水準がどの程度のものだったのかは、想像するだけでも怖くなる。

整理手続研修は、未だに日進月歩の渦中にある。
10年前のレジュメが19頁なのに対し、最新版は34頁と、ほぼ倍増している。
非対象事件や「控訴審でも」整理手続の感覚でやれなければ、間違いなく、十分な弁護にはならないだろうと断言できる分野だけに、整理手続があとから出来た世代(大雑把に言えば60期まで)は、必ず一度は徹底した研修を受け、その後も数年ごとに知識のupdateに努めるべきだろう。勿論、整理手続後の世代の弁護士も、研修所教育では全く不十分なので(未だに白表紙に「証言予定」のことすら出てこないと認識している)、徹底した研修を受けておかなければならない。

(弁護士 金岡)