先日、松阪簡裁1号法廷での公判審理に立ち会ったが、弁護人席の前に、被告人用ベンチは設置されていなかった(在宅事件なので被告人が弁護人の隣に着席したことは当然である)。
「お白州席」方面にベンチはあったが、あれは、身体拘束事件で被告人が証言台に着く時に押送職員が座るためのものだろうと理解され、してみると松阪簡裁は、高知地裁と同じく、「前のベンチ」を置かずSBMを徹底するところなのかもしれない。

・・と、本記事はこれだけになるので、全く関係ない小話を追加。

この公判では5名の証人尋問をしたが、うち3名が実況見分調書の作成の真正を証言しに来た。
うち一人が、自身担当の実況見分にベテランの補助を受けていたことを証言しようとして、検察官から「その捜査員の捜査歴は何年ですか」という質問がされたので伝聞の異議を出し、検察官は「証人が、補助してくれた捜査員の捜査歴をどのように認識していたかを立証趣旨としているので伝聞ではない」と反論したのだが、当然、裁判所は異議を認めて変更を命じた。

ベテランの補助が実況見分の信用性を高める(かどうかはさておき)という立証命題なのだから、ベテランの捜査歴そのものの真実性が問題となるのであり、担当捜査官が補助してくれた人をベテランだと認識していたからといって、真実ベテランだったかは保証の限りでない。
検察庁は、伝聞の異議に対しては非伝聞だと条件反射で反論する教育をしているようだが、伝聞証拠の初歩の初歩でこのような反論をされると、やれやれという気分になる。

(弁護士 金岡)