折角3時間研修を企画して頂いたのに、新幹線の105分の遅れで2時間研修になってしまった、という残念さはあるが、ともかく、反対尋問研修を実施した。
3時間あれば、異議や、最新の事例紹介なども交えられるが、2時間だとそこまでは及ばず、つくづく現地には申し訳ないことではあった。
さて、現代の刑事弁護は、整理手続においてケースセオリーを完成させる。
そして、ケースセオリーを完成させれば、反対尋問事項は自ずと導出される。
従って、大胆に要約すれば、反対尋問事項で悩むことは無い。
これが反対尋問の鉄則になる。
私が好んで研修に引用する「弁護の技術と倫理」(パーリー)によれば、18世紀以前から反対尋問の鉄則の2つのうち1つは「質問として取り上げるに足る然るべき理由なくして、質問をしてはならない」であるとされている。現代風に言い換えれば「ケースセオリーに必要な質問だけをせよ」であろうか。研鑽を積み、実践を重ね、辿り着いた真相が、18世紀以前からの鉄則だと言われるのは、ある意味、愉快なことである。
パーリーは前掲書において、反対尋問の原理をよく弁えない反対尋問は無益というより有害、という箴言も引いている。
控訴審を受任して、原審の尋問記録を読んだ時、最終弁論が明瞭に想像できることは多くない。それは反対尋問の原理を弁えない未熟な反対尋問が展開されているからに相違ない。
反対尋問の技術書はそれなりに出ているが、技術を学ぶ時、その原理の解明にまで思いを致すのが良いと思う。
(弁護士 金岡)

















