裁判所が起訴後勾留を認めなかったのに、うっかり勾留し続け、慌てて勾留し直したことについて、うっかり部分を違法とした(が瑕疵の承継は否定して釈放は認めなかった)ことが話題の、最二小2026年4月1日決定についてである。
A事実について被疑者勾留(25日が期限)、B事実で25日に起訴して令状差替を申し立て、裁判所は職権不発動(X裁判官)。
その意味するところを、「公訴事実の同一性なく、且つ、B事実の勾留要件なし=釈放」ではなく、「公訴事実の同一性があるから自動更新=勾留」という意味に勘違いした検察官が、B事実について適法な勾留状なしに26日も勾留を続け、勘違いに気付いて26日午後8時06分、被告人を釈放し、改めて勾留の職権申立を行ったところ、これが認められ(Y裁判官)、午後10時30分、被告人は改めて勾留された。
以上の事実関係下に、被告人は、最後の勾留が、適法な勾留状なしの身体拘束の違法により違法に帰する趣旨の主張をしたようだが、最高裁は、事例判断として、これを退けた。
とまあ、上記の論点の結論は予期されたものと言えるが、それより気になる(腑に落ちない)のは、25日と26日と、わずか1日で、B事実での勾留判断が逆転していることである。
25日のX裁判官は、B事実についての勾留要件の判断をして、これを否定した。検察官は、念のためかどうかは分からないが令状差替によるB事実の勾留を求めたのだから、そこにB事実の勾留要件にかかる十分な疎明活動が行われたことは明らかである。
しかるに、翌26日、検察官は「再度」B事実について勾留を求めたというのだから、せいぜい1日の間に、一旦否定された勾留を蒸し返す申立を行ったということになり、Y裁判官がこれを認めてしまった。
確かなことは記録を見ないとなんとも言えないが、25日時点で十分な疎明活動を行っていたからには、せいぜい1日の間に、これを逆転するに足りるだけの事情変更が生じるなどと言うことはありそうにもない(弁護側なら、特に捜査段階ではそういうことはままあるが、基本、一件記録を使うしかない検察側には、ありそうにもない)。勾留裁判の内部的確定力を踏まえても、検察側によるこのような蒸し返しは認めるべきではないだろう。
最高裁が、X裁判官の職権不発動をY裁判官が1日で覆したことについて、どう考えたのか(それとも全く考えもしていないのか)、全く腑に落ちないところである。
(弁護士 金岡)

















