件名は、うんざりしている気分そのままに付けたが、内容は概ね真面目なものである。

本欄2018年2月9日や2025年2月27日で書いたことがあるが、在宅被疑事件の場合、事件処理が停滞しているなぁと思っていると知らないうちに不起訴処分(や不送致による終了)になっていることがある、という問題である。

被疑者の身分は、社会的、精神的等の諸点において不利益であるから、事件を停滞させることなく終局処分に至らせるのが理想ではあるが、個別具体的な事情を勘案すると必ずしも弁護人の方から事件処理を求めていくのは難しい場合もある。他方で、検察送致を断念したり、あるいは起訴を断念したのであれば、上記不利益の地位の解消事実を、それを作った側である捜査機関側から積極的に通知するのが寧ろ当然なのではないか。
現行法上、不利益処分結果告知請求は此方から行う必要があるし、送致断念案件に至っては法的に問い合わせる手段がないが、これは制度の欠陥であろう。

さて最近、事件が停滞しているものが数件あったので、進捗を問い合わせたところ、まず反応のあった名古屋地検の案件は、(恥を忍んで言うと)とっくに不起訴になっていた。
言い訳になるかもしれないが、2月に取調べが流れた際、「必要になったら連絡する」というのが検察官からの最後の連絡であった。取調べをするために必要な補充捜査でもしている(そして難航している)のかと安閑としているうちに一月もせず不起訴になっていたというオチである。
この件、警察段階では冤罪であるという指摘を書面で行っていたが、検察に対しては、取調べがどうなるか流動的な状態では不起訴処分結果告知請求にまで至っていなかった。 改善点としては、今後いっそのこと全件で、最初の書面から不起訴処分結果告知請求を併記すべきなのだろうか・・と思わなくもないが、それよりやはり「不起訴にしたなら、そう言えよ」と思ってしまう。

かたや、もう一つ反応のあった中警察署は吃驚の対応に出た。
まず一人目に出てきた警察官は、「こういうのは弁護士照会で問い合わせるべき」というのである(交通課、金子警察官)。自分の事件が現状どうなっているかを弁護人を通じて問い合わせるのに弁護士会照会を使うことなど、考えられないのであって、意味不明であった。
そのことを指摘すると登場した二人目は、「被疑者の本人確認が出来ないから電話説明は出来ない」などという(八木警察官)。被疑者の本人確認ってなんだ??という口論になったのは当然だろう。適式に弁選を提出し(しかも、弁護人主導の日程調整の上で被疑者の出頭に同行して、包括的黙秘の意思確認までやっ)ている事案である。適式に弁選を出した事案で、被疑者の本人確認が出来ないから進捗に回答できない・・・意味不明を通り越して、正気を疑う仰天の対応であった(示談書を提出しようとしても、本人確認が出来ないという理由で受取を拒否されるのだろうか?)。
思わず電話を叩き切り、ついでに署長宛に、職員教育をちゃんとやり直せという苦情を送りつけたところ(この日3通目のファクス)、翌日、詫びが入り「本部からきちんと電話回答するように指導を受けた」という決着を得た。

とまあ、こういうゴタゴタは数あり、各々がそれなりに経験するところだろうが、やはり、容疑をかけ、一定の不利益的取扱いを開始した側から手続の終了を告知させる、という仕組みにすれば良いだけではなかろうか。
此方によく分からない負担を押しつけるのではなく、被疑者の地位の解消について、大元を作った捜査機関側に積極的告知義務を課すのが本道だと考える。

(弁護士 金岡)