共謀罪問題(数年前に司法福祉学会で御一緒させて頂いた新倉教授、日々貴重な御助言を頂いている松宮教授の国会での反対論には賛辞を送りたい)、加計学園問題(特に官房長官が告発者に対し私的行状を挙げて攻撃を加えるという異常さ)、GPS違法捜査問題(坂根弁護士担当で最高裁後初めての無罪事例となる東京地裁平成29年5月30日判決)など、日々、色々な動きがある。少々高いところから言うならば、これでも蒙を啓かれないのか、という話である。国家の裁量を広げることは市民的自由を奪われる契機にしかならない。(現政権の経済政策が相対的にましだという意見を踏まえても)自由を奪われたいかどうかが優先課題だと言うことは、子どもにでも分かろうものである。
さて本題。
つい先日の刑事事件の法律相談の話。身内が警察から呼び出されたと言うことで慌てて弁護士を探したところ、例のごとく例によって「3桁万円持って来い」から始まる事務所に電話してしまったものの、高額故に依頼できず、ネット検索で当事務所に辿り着いたという。予定を差し替えて3時間ほど確保し、まずは主導的に進められる見通しが付いたところである。
依頼をされた、その依頼者曰く、「ネット検索で(当事務所は)一番上には来ませんね・・」とのこと。
検索エンジンの序列に色々とカラクリがあることは、今日日、常識かと思っていたが、やはり上の方から見てしまうのだろう(我が身に置き換えても、飲食店でも病院でも、わざわざ最初の数頁を飛ばすということは流石にしないから、同じ穴の狢である)。確かに「名古屋 刑事弁護」で検索して、なんとか1頁目の下の方に入っているのが現状のようだ。
本欄を見ている方には今更になってしまうが、時間に追われる中での弁護士探しの一つ目、二つ目で「外れ」を引いてしまわないためには、
・有料広告を出しているところを含み、宣伝じみているところには注意する
・検索エンジン目当てと思われる無意味な嵩まし(地名、罪名、事務所名連呼、等)がある場合は特に要注意
・一般的なことしか書いていない場合も注意する
このあたりを念頭に置かれるべきであろう。幸い、ホームページ程度なら、舐めるように見るくらいのことはできるだろう。あとはその人の判断能力による、としか言いようがない。
(弁護士 金岡)