最近の話題から、裁判所の姿勢への疑問を表明する。
【1】
まず、腰縄手錠&SBMの問題である。
本年4月13日から、名古屋地裁でも、例の最高裁事務連絡に基づく腰縄手錠&SBMの運用が始まるとのことで、弁護士会会長から御触書が回ってきた。
で、「弁護人が事前に1回要望すれば・・隣に着席することができる運用に変わります」とあり、更に「弁護人からの要望書の提出がなければ、弁護人席前のベンチに着席させるとのことです」と念押しされている。
・・隣に着席することを、弁護人の要望に係らしめる理由は何だろうか。恩典(サービス)だと勘違いしているのではないか。
被告人の着席位置の問題は、その対等当事者性の証であり、また、被告人が遠慮なく弁護人に助言を求めるための最適な環境の在り方である。それが理解出来るなら、「原則、前のベンチ」という発想になるはずがない。
このような裁判所の方針からは、裁判所が、被告人の対等当事者性の保障や、弁護人選任権(実効的な援助を受ける権利)の保障において、極めて不真面目であることが分かる。ここまで言われても、まだ分からないのか・・・と唖然とする程である。
【2】
次に、第1回公判前の事前準備連絡を、ファクスに代えて、Webフォームで行うという話題である。
というか、そのこと自体ではなく、そのWebフォームの事前準備連絡を眺めていて驚いたのだが、「問18 被告人質問所要予定時間」というのがあり、「①5分程度、②10分程度、③15分程度、④その他」とある。
いや、短すぎるだろう。
あからさまに「乙号証同意の上で、ちゃちゃっとやって下さいよ」という本音が見え見えである。
乙号証(員面や検面)は、どこまでいっても、体よくまとめられた作文に過ぎない。そんなものを有り難がって読む、そこから心証を形成する、などというのは、最早、時代錯誤も良いところだと思うが(勿論、依頼者をそのような審理に甘んじさせる弁護人側にも問題があることは否定しない)、まだこんなことをやっているのか、と溜息しか出ない。
こうやって、調書が良いものだと刷り込まれていくような訴訟運営に旗を振り、調書を採用したがる(ろくでもない)裁判官を養成し続けようというのだから、その姿勢が不真面目であることは言うまでもなかろう。
よってたかって議論して、こんなものを出してくる神経を疑うが、それが現実である。
辟易する。
(弁護士 金岡)