ひょんなことで労基署(岡崎労基署)による被疑者調べに同行した。
同席を求めたが、主任なる地位の監督官曰く「取調べだから出来ない」と。
政府見解とすら異なる低次元の回答には驚くほか無いが、政府見解を知らないというので話にすらならない(所長宛の抗議文にも回答すらない)。

また、被疑事実の告知を受けることでも揉めに揉めた。
事前に被疑事実を告知するよう求めると、「取り調べで本人に言う」と、こうである。
取り調べで本人に告知するなら、事前に弁護人に告知した方が防御水準上、望ましい上に、そうできない理由もないのであるが、頑として「取り調べで本人に言う」の一点張りである。上記同席問題とあわせ、あくまで弁護人の介入を拒もうとする、古くさい体質を感じざるを得なかった。
更に、「取り調べ冒頭で告知してくれるんでしょうね」と確認を求めても、「取り調べで御本人に言います」「いや告知の時期を聞いているんですよ」「それも本人に言います」という、馬鹿馬鹿しさである。(この遣り取りを目の前で見ていた被疑者御本人の心境はいかばかりだっただろうか)結局、被疑事実を把握して方針を検討し終えたころには、取り調べ開始から50分以上が経過していた。誰の得にもならない無駄な時間である。

総じて、適正手続保障や弁護権への理解度はゼロ、警察に「劣るとも優らない」状況であった。
尤も、一般来所者のソファとはいえ、取調室が見えるところで待機出来たのは、まだ良かった。弁護人を庁舎外に追い出す名古屋地検よりは、幾分かましというところである。

(弁護士 金岡)