本年3月24日に提起した費用補償請求事件(盛岡地裁)が、待てど暮らせど7ヶ月を過ぎても音沙汰がない。差戻審から第2次控訴審までやったとは言え、(どうせ弁護士報酬は悪平等を強いられるのだろうから)検討を要するのはせいぜい、実費(独自の現地調査に要した費用や独自のフォレンジック解析費用、検察側鑑定人の書籍の購入費用や研究者への謝金等)位ではないかと思うと、余りに遅すぎる。

と思って、過去の費用補償請求事件を調べてみると、

(SI事件)
4月12日請求
7月6日決定

(N事件)
7月9日請求
9月27日決定

となっていて、やはり2~3ヶ月が標準だよなぁと思った。

(SU事件)
8月2日請求
2月22日決定
というのもあるが、これは、関連する一部が有罪になっており、その分の費用補償を行わないように複雑な検討、計算を要したから、まあ仕方が無いのだろう。

因みに、自身の弁護契約書を開示して約定弁護士報酬を正面から計上した、SI事件とSU事件とでは、決定額÷約定弁護士報酬が、21%~37%と、大きくばらついた。勿論、こちらの約定弁護士報酬の決め方も大味なものなので、余り統計的意味合いはないが、依頼者の自己負担割合が大きくばらつくのは望ましいものではあるまい。

そしてなによりも、良いとばっちりで冤罪に巻き込まれたというのに、弁護士報酬の自己負担率が6~80%もあるという事実。原資が税金だろうと、冤罪被害を前に、国庫が賠償をけちるというのは実に理に適わない話であり、約定弁護士報酬に裁量逸脱があるような特段の事情がある場合を除き、原則約定弁護士報酬実額を費用補償すべきなのは当然であろうにと、改めて感じたものである。

刑事補償や費用補償の裁判例が公開されることすら稀であり、事後検証に晒されることもなく、6~80%もの自己負担を強いている、というのは、健全ではない。こういったことでも、弁護士会側が声を上げていかなければならないのだろう。

(弁護士 金岡)