1週間に3回という研修行脚が終わった。
3月18日は整理手続研修、3月19日は日弁連ライブ「パーソナリティ障害・発達障害が問題となる事件の弁護活動」であった。

整理手続研修は手慣れたものであるが、勿論、毎回レジュメを更新している。
最近、意識的に改訂した一つが公務所照会や令状請求などの類型証拠開示請求を補完する証拠収集手段の活用部分である。
類型証拠開示請求に対し、捜査機関が収集していない証拠は当然、開示されないが、類型証拠開示請求が、特定の検察官請求証拠の証明力を検討するためのものである以上、捜査機関が収集していようがいまいが、当該証拠を弁護人が手にしなければ、証明力を検討する作業は終わらない理屈である。なので、類型証拠開示請求段階で、公務所照会や令状請求を駆使して、ケースセオリーを立て終えられるだけの類型証拠を手に入れ尽くす必要がある。公務所照会や令状請求は、その意味で特別なものではなく、言うなれば捜査機関の捜査不十分が弁護の不利益に転嫁されないよう、より積極的に、弁護のために柔軟に活用されるべきである。
裁判所も、捜査機関の手持ち証拠かどうかは本質的ではなく、手に入れ尽くさなければ弁護が不十分に陥ることを、十分に理解しなければならない。最近はそういう問題意識が強く、公務所照会だけで半年一年、空転する事案や、積極的に令状を請求することも増えている。万全の弁護態勢は憲法上の要請であり、裁判所がこれに積極的に協力すべき事もまた当然である。

ライブ研修は、田岡弁護士の裁判例報告も貴重なものだし、屋宮弁護士の更生支援実践も気合いの入ったもの(奇しくも3名とも修習55期、同期である)であった。各地で名のある刑事弁護士が中継を視聴していたようで、特定の疾患名に着目した、なかなかない研修に注目が集まっていたというところであろうか。
個人的な目玉は、安藤久美子医師による基調報告であり、頻繁に診断基準から用語までが変化する当該分野の、最先端の司法精神医学に触れられたことは貴重である。
ライブラリに収録されるので、御覧頂くと良いと思う。

(弁護士 金岡)