職業柄、公的機関と遣り取りすることが多いが、当然、その中でも裁判所、検察庁との遣り取りが多い。
従って、どうしても裁判所や検察庁が悪目立ちして映ることは否定しないが、その点を差し引いても、裁判所や検察庁は、兎に角、非を認めたがらない、反省しない組織であると感じるところである。

そういう話題は折に触れて本欄で取り上げている。
先日もまた、こういう出来事があった。

午前中に勾留延長に反対する意見書を提出し、判断を待っていた。
延長請求却下なら、速やかに親族等への連絡が必要になるし、延長請求認容なら、速やかに勾留状の記載を確認しに走り、その上で即日、準抗告を申し立てることになる。
しかし待てど暮らせど、裁判所から連絡がなく午後5時30分(事務員の退勤時間)になった。そこで事務員から裁判所に連絡を入れると、担当書記官より「本日、勾留の件数が多く、何時に決定が出たか分かりかねるが、既に勾留延長を認める裁判が出ている。先生が私選弁護人と言うことで、この電話での通知になってしまったことをお詫び申し上げる。」ということであった。
大急ぎで勾留状の内容確認に(事務員が)動き、午後5時48分には勾留状の写しの用意が出来たと裁判所から知らされた(ということは勾留状原本はその時点で検察庁が保管していたと言うことである)。
しかし、この時間から準抗告の準備をしても即日の判断にはならないことから、準抗告は翌日(土曜日)回しとなってしまった。

勿論、非は、忙しさに取り紛れて、勾留延長の判断が出たことを弁護人に知らせることを失念した裁判所にある。
世間的に言えば「過失」、ミス、であることは、疑いようもない。

そこで名古屋地裁所長に対し、どういう経緯でこのような失態が発生したのか、そもそも何時に勾留延長の判断が出ていたのか、といったことを説明するよう質問状を送ったのだが・・・なんと、筒井健夫所長は、一切の回答を拒否するという愚挙に出た。
名古屋地裁職員の過失により、関係者に重大な迷惑をかけたという自覚があれば、誠実に説明し、謝罪し、再発防止策も約束して、ことを収めようとするのが、健全な反省できる組織の在り方だと思うが、これとは真逆に、事態を誤魔化すことに汲々として、どれくらいの時間、どのように放置したのか、明らかにすることも拒否する。正に愚かしいとしか言い様がない選択である。

こういう輩が、ふとした拍子に犯罪に及んでしまった、あるいは交通事故を起こしてしまった被告人に対し、反省がないとか、再犯防止策が十分ではないとか、口角泡を飛ばして罵るのだから、嗤えてしまう。
反省できないお前らに、その資格があるのか?と思われる、とは考えないのだろうか。

かくしてまた、国賠訴訟が増える。
反省できない裁判所。実に恥ずかしい存在であり、こういう輩が司法を担うという現実には心が冷え冷えする。

なお、筒井健夫所長が事態を隠蔽しようと頑張っておられるので、やむを得ず、勾留状を被疑者に示した時間を調査したところ(弁護活動妨害に加え、弁護士会照会費用の支出まで強いられたことになる)、代用刑事施設から午後5時との回答があった。午後4時過ぎには、検察庁を出て、代用刑事施設に出発したと考えれば、午後3時過ぎには、裁判所から勾留状原本が名古屋地検に運ばれ、代用刑事施設に転送された、つまり勾留延長の判断は午後3時ころまでには出ていたと推察される。
2時間30分、薄らぼんやりしていた、ということになろう。
それは隠蔽したくもなるかもしれないが、それで良いはずもない。

(弁護士 金岡)