さて、②捜査過程のカルテ化に関し、日弁連が「犯罪捜査の記録に関する法律」制定を求めていたことの紹介である。2014年5月8日付け日弁連意見書である(ということは私が2016年5月に刑弁センターを見限る前なので、知っていなければならないのだが、全く記憶にないのは汗顔の至りである)。
上記法律案名で検索すれば、日弁連のHPにて閲覧できるだろう。
犯罪捜査における全過程について捜査に関する記録(端緒、基本方針、収集資料等を記載のもの)を作成すること、及び、記録目録を作成すること、その送致義務を課す提言であり、その理由としては、当時、知られていた数々の証拠の捏造や廃棄案件を立法事実として挙げている。
興味深いこととして、北海道警が捜査本部を設置した事案では「捜査本部日誌」「捜査会議録」等の備付け義務を内規で定めていることも指摘され、逆に、それを除けば凡そ証拠の適正管理について統一水準がないと指摘されている。
その上で、ドイツの「記録完全化原則」を挙げてこれに倣うよう提言し、全5条からなる条文案も提示している。なお、保管期限の制定については見送ったとある。
制裁規定こそないが(制裁規定は、記録法に盛り込むより、記録法を受けて手続法に盛り込む方が妥当だろう)、似たような議論をしているものだ。日弁連の集合知に、12年を経て追いついただけだということが分かったが、それはともかく、12年が経過しても一向に前進しないまま、証拠隠しや証拠の廃棄が陸続と繰り返されているのだから、これは最早、国家の故意の不作為=不法行為と評価しても良い次元に至っていよう。今後、証拠隠し被害に遭った当事者は、より踏み込んで、国家の不作為責任の追及も視野に入れてはどうだろうか。
証拠隠しや証拠の廃棄、証拠の捏造は、永年、刑事司法に付き纏っている負の現象であり、今が最も華やかなりし、とは言わないが、しかし昨今は、布川再審国賠、福井女子中学生殺害事件再審、松橋再審国賠、ついでにうちの平間国賠等、流石に裁判所も、目に余ると言わんばかりの説示や判断をするようになってきているから、好機である。
「カルテ」の作成が、病院に出来て、捜査機関に出来ないはずもないのだから、日弁連は改めて、捜査過程の可視化法制(ついでに保管準則、制裁規定)に乗り出すべきだろう。
(2/2・完)
(弁護士 金岡)

















