本欄平成26年10月11日「国賠訴訟の当事者として」で、接見に行ったところ「被疑者ではないから接見させない」という妨害を受けた国賠事案で勝訴したことを紹介した。

実はこの事案では、余りにも接見妨害が重なるため、先手を打って、そのような接見妨害をさせない仮処分というのを考えつき、申し立てていた。
この手の仮処分は、民事保全法のものと、行政事件訴訟法のものとが考えられる。相手が刑事施設だから行政事件訴訟法の守備範囲にも思えたが、諸事情から、まずは民事保全法で申し立て、その後、行政事件訴訟法でも申し立てる、ということをごちゃごちゃとやっているうちに、なんと依頼者が別の刑事施設に移されてしまい、以降は名古屋拘置所で妨害を受け続ける可能性が事実上なくなったため、訴訟として意味をなさなくなった。

その当時から、そのうち誰かが同じような発想で、先手で面会妨害を阻止する事前救済の突破口を開くのではないかと期待していた(刑事弁護に熱心な弁護士の中に、行政訴訟法にも詳しい方がいれば、いずれ思いつき、実践するだろうと思っていた)が、たまたま、東京地裁平成28年12月14日という実例に接した。

その主文は、「東京拘置所長は,申立人の,・・・・確定判決に対する再審の請求の打合せを目的とした申立人とXとの面会につき,第1事件の本案事件の第1審判決の言渡しまで,仮に,刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律121条に基づき職員を立ち会わせる措置を執る旨の処分をしてはならない。」というものである。なお、行政事件訴訟法に基づく構成が採用されている。

やはりでたか、と思い、紹介させて頂く次第である。

(弁護士 金岡)