標題だけ見ても、なんのことやら、かもしれない。

先だって、依頼者(被疑者)と裁判所構内で接見し、文書に署名を貰う必要があったので当該文書を差し入れた。ここまでは普通である。
で、裁判所職員に「筆記具はそちらで貸して下さいね」というと、「いや、弁護人の方で差し入れて下さい」と。
・・・長らく、弁選だの誓約書だのを、アクリル板の向こうから署名入りで持ち帰る経験をしているが、ボールペンを差し入れさせられたのは初めてだ(もう十数年も前、ペンとノートを被疑者に差し入れようとすると、規格がどうの、安全性がどうのと、所轄毎にごたごたしたという経験は記憶にあるが)。

被収容者処遇法40条1項3号は「日用品、筆記具その他の物品」を貸与する規定であり、裁判所構内であろうと拘置所(本件の場合)が管轄する刑事施設でこの規定が適用されないはずはないが・・拘置所側も拘置所側で、普段、規格がどうのとうるさい割に、裁判所が予め許可するや、弁護人の私物のペンでもどうぞどうぞというなら、普段の締め付けは何だというのだろうか。

遭遇した方も、なんのことやら、である。
ペンを複数本、持ち歩いていて良かったと言うべきか。

(弁護士 金岡)