事件数の整理も5年目。

総事件数は余り変化していないようだが、ここ数ヶ月でばたばたと終わっていった事件が複数あるので、新しい事件が匹敵するくらいには来ていると言うことだろう。

刑事事件は全体的に変わらない。成果は上がっているはずだが(無罪複数に1項破棄もあり)、「弁護側準抗告棄却用のハンコを作って差し上げたくなる」準抗告棄却の量産や、大切な事件が肩すかしで右から左へと処理される某高裁を見ていると、気分は寧ろ低調である。

行政事件は、「1年帰国で再入国」運用の開始と、入管における面会問題の煽りで、訴訟自体も減少したし、受任も控え気味である。その分、事件類型が多様化しつつある。

民事事件は、依然として非典型的な案件が多く、更に国賠を積極的に進めていることも含め、全体的傾向は変わらず。原発訴訟、自死訴訟、大手アダルトサイト相手の訴訟などやり甲斐は大きい(切実な思いを抱えておられる依頼者を前にしていうと語弊があるかも知れないが、こちらがやり甲斐を感じるという意味で楽しめることは重要である)。

家事事件は、なんとなくだが、話し合いより裁判沙汰になりやすいものを感じる。以前は相手に弁護士が付くと話し合いの機運と心得ていたが、寧ろ火に油を注ぐ代理人の方が多いのではないかと(私もそう見られているのだろうか・・)感覚が変わってきた。

H26.10 H27.10 H28.10 H29.10 H30.10
刑事事件 捜査 3 2 2 2 6
第1審
(裁判員)
10
(1)
12
(3)
11
(5)
13
(4)
12
(4)
控訴審 1 4 8 4 1
上告審 1 0 1 3 3
再審(準備) 3 3 2 2 0
行政事件 訴訟 20 21 18 14 8
交渉 9 9 7 11 14
民事事件 訴訟 29 22 22 22 23
交渉 18 18 18 13 21
執行 3 4 4 4 5
原発ADR 1 2 3 3 1
その他
(後見、債務整理等)
3 6 8 7
家事事件 交渉 11 5 2 1 4
調停 4 1 6 2 0
訴訟 2 3 2 4 4
総計 115 109 112 93 97

 

(弁護士 金岡)