訳が分からないというか、どこもかしこも間違っていると思うのだが。

住所をAとする甲との関係で接見等禁止決定が一部解除され、その後、甲が引っ越しして住所がBになった。
これまで「A所在の甲」に宛てていた手紙を、「B所在の甲」に発信しようとすると、拘置所が許可しなかった。

まず、これがおかしいだろう。
住所変更されようと、属人的に解除されているのだから一部解除を受けたのは「甲」に他ならない。

しかし、現実問題として支障が生じているので、さっさと片付けるべく、裁判所に、現在、甲を「A所在の」としている一部解除決定を、「B所在の」に書き換えるよう、更正を申し立てた。一部解除は現在も有効だから、いまや住所表示が誤っているというわけだ。
ところが裁判所は、「更正決定の問題ではない」「一部解除を申し立てろ」という。

これまた不可解である。既に述べたとおり、「甲との」一部解除は既にされている。重ねて「甲との」一部解除を申し立てても申立の利益がない筈だ。
突っぱねたところ、職権で「B所在の甲」との一部解除決定がされた。

拘置所の対応もおかしいが、裁判所の対応もおかしい。
なんとも訳の分からない顛末であった。

(弁護士 金岡)