被害届にしろ告訴告発にしろ「なかなか受理してもらえない」ということを良く聞く。法律のどこを見ても、警察・検察に不受理にする裁量があるようには読めず、形式不備がない限り受理する義務、そして捜査する義務があるように思われるだけに不思議である。なお、条解241条の解説でも「受理義務」として「原則として、これを受理する義務がある」とされているところである。

近時、相談を受けた案件では、告訴告発状が名古屋地検から突っ返されたのだが、その理由が珍妙で、「既に警察から事件送致を受けているので返送します」とあった。
警察から事件送致を受けているからといって告訴告発を不受理にする理由にならないことは明白だろう・・どういう心得違いをすると、ここまで粗略な対応になってしまうのだろうか。
もちろん、告訴告発に伴い、例えば刑訴法260条の通知を受ける権利が発生する。とすれば、告訴告発状を突っ返すことは、このような権利侵害にもなり、不法行為を構成するといえるだろう。

こういう違法な不受理に対しては、「そのまま突っ返す」ことを推奨している。捜査機関に阿る必要などないし、粗略な対応には厳然と対応すべきだと思う(随分と昔のことだが、個人あての郵便物を受け取る理由はないと抗議文を返送してくる捜査官に遭遇したことがある。同じ郵便物がたっぷり三往復して、ようやく先方が諦めた記憶だ。)。

(弁護士 金岡)