本欄本年2月23日で紹介した国賠勝訴案件は、国側の控訴は無く、当方の勝訴部分は確定した。

既述の通り「死刑が確定した再審請求者と弁護人との打合せに刑事施設が立会を付することが許されるか、という問題が主要争点」の事案であるが、正確にはもう一つ、国賠訴訟の打合せ(分類的には民事事件の打合せになる)に刑事施設が立会を付することが許されるか、という問題もあり、こちらについては、代理人弁護士(つまり我々)の権利侵害には該当しないが、依頼者本人の権利侵害には該当するという形で依頼者側の請求だけが認容されている(違法に立会を付したら我々側からしても業務妨害に相当するのは明らかななので首を傾げざるを得ない屁理屈ではあるが・・因みに同旨の名古屋高判あり)。

さて、このように、再審打合せ、国賠打合せの何れについても、立会は違法だという結論が確定したわけであるが、その後の報告によれば、再審打合せも国賠打合せも、(30分の時間制限こそ付されるものの)無立会で行えるようになったとのことである。控訴も出来ないようなことを国がするなよ、ということではあるが、国賠の世直し効果が発揮されたわけであり、まずは嘉すべきである。

(弁護士 金岡)