かねがね、刑事弁護の理論と実践に資する勉強会が必要だと感じていた。
本来であれば刑事弁護委員会がその母体となるべきだろうと、在籍当時は、「量刑データベース」や「準抗告事例研究」等を媒体に試み、落後しない数名を核として確かな実績を上げたとは自負するものの、それ自体に内在する制約もあり、より普遍的な取り組みの場とするには至らなかった。

今般、有志を募り立ち上げた「愛知刑事弁護塾」は、抽象的にまとめれば、内輪での容赦ない検証(各々の実践への事実上の支援)と、研究者等を講師に招聘して先進的な知見を得ることを軸に、それを更に実践に還元していくことを目指すものである。
知名度を上げることは二の次であるが、参加者が一定水準の弁護実践を重ねれば、結果的に、裁判所の意識も変わるだろうし、消費者加害さながらの刑事弁護の食い物になる被害者も減るだろう。
自身としても、独善に陥らないため、地道な研鑽の場としていきたい。

(弁護士 金岡)