件名の特集に小論が掲載されたので紹介しておきたい。
「もっと違法を主張しよう!」は、特集の趣旨によれば違法収集証拠排除論が「議論の進展が見られる分野」であることから、争い方から理論化、近時の先駆的な裁判例の紹介までを意欲的に扱ったもので、割と手厚い。
私は例によって、争うべき必然性と、争うための技術化されたところを平易に解説した。最終的には警察官尋問に至るのが必然であるが、警察官尋問というものは数をこなすうちにそれなりの型が見えてくるもので、そのような型にはめて尋問を行うには、勝負は捜査段階に始まり整理手続段階ではほぼ決着しているといっても過言ではない・・と、こう言われてピンと来ない向きは是非、拙稿と坂根論文(反対尋問基礎編)を読むべきかと思う。

警察官の反対尋問を制しても、その先には更に難関が待ち受けている分野ではあるが、まずは第一関門を突破しないと始まらない。

(弁護士 金岡)