先日、本欄本年7月18日にて、愛知県中警察署の一般面会において、要事前予約、しかも3枠のみという明らかに違法な運用が行われていたことを報告した。
相弁護人の奮闘により、この程、中警察署から運用を改めた旨の報告を取り付けるところまで進んだのだが、一進一退の感があり、これを取り上げる。

中警察署の回答を要約すると、①事前予約を完全に排除し、②3枠制限もやめて先着順として、③部屋が空いてさえいれば順次、面会できるようにした、というものである。
部屋が空いてさえいえれば順次、面会できる(②③)というのは実に当たり前の話で、これまで、幾ら空室があっても3枠に限定していたのかどうかしているのだから、これを改善と言われても困る。
問題は①の方で、事前予約を完全に排除するとなると、特に遠方から来た人が、最後まで部屋が埋まってしまっていて面会できずに帰らざるを得ないという事態が危惧される。一般面会が重要な外部交通であることからすれば、可能な限り実現するように運用するのが留置管理の責任であり、事前予約も可能としつつ、予約がなくても空きがあれば会えるようにすれば良いだけの話なのに、そうはならないところが、流石、警察というところである。利用者目線ではなく管理者目線だからこういう馬鹿馬鹿しい改悪を伴う。

かくして一進=法律を守るように変更した、一退=事前予約が出来なくなり無駄足の危険が高まった、ということで、これでよかったのかは疑問が残る。
ともあれ、空室がある限り会える、という最低限の運用が約束通りに実現されるかを監視することは必要であろう。

(弁護士 金岡)