最近、名古屋界隈で国際刑事裁判所(ICC)の赤根氏のお話を聞ける機会が複数あり、どういう流れかと思っていたところに、同氏の著書「戦争犯罪と闘う」を読む機会があり、更に自由と正義2026年1月号の特集も「国際刑事裁判所との法の支配の強化に向けた展望」と、その流れが続いている。
私は国際刑事司法には全くの素人だが、「法の支配」や関連して「手続保障」を当然のこととし、その理念を行動規範にしていると自負するので、このような話題にも一通りの勉強はしなければと思ったところである。
折から、アメリカがイランに戦争を仕掛け、これが国連憲章2条に違反することは勿論であるし、その「共犯国」であるイスラエルの首相は2024年11月にICCから逮捕状が出されている。
こういった事態に対し、日本政府は沈黙を続け、その二枚舌には絶望的するが、こういう政府が、国内において、法の支配や手続保障を遵守する保障もなく、国内外を問わず、当たり前の筈の法の支配や手続保障が累卵の危うきに晒されていることには、やはり声を上げなければならないだろう。
さて赤根氏の前掲書は、日本の法律家として言えば、日本国内の法の支配の実情や、中核犯罪の処罰規定導入の必要性相当性に関し、氏の分析は楽観的に過ぎると思っているが、人間の理性(個人であれ世論であれ)ほど当てにならないものもないのだから法の支配を貫徹することは不可欠であって、そのために国際刑事裁判所が確固たる存在感を示すべき結論には同調できる。
2025年2月の米国大統領令によるICCへの制裁に、日本が批判声明に同調しなかったことは知識として知っていたが、今回の対イラン戦争における沈黙を決め込む姿勢を見るにつけても、改めて深刻さを感じるところである。
少なくとも日弁連や単位会は、日本政府に対し、国連憲章違反や、国際刑事司法に反する態度を決め込むことを許さない意見表明を行うべきだろう。
(弁護士 金岡)

















