本年11月28日付け長崎県弁護士会会長談話によれば、同会に於いて収容停止に反対していた長﨑拘置支所の収容業務に関し、11月23日(祝日)、長﨑刑務所から同拘置支所の被収容者を移収し同拘置支所の収容業務を停止したとの通知を受けた、ということで強い抗議が表明されている。

会長談話が何に怒っているかというと、(収容停止を敢行したことにも勿論であるが)事前に移収日を明かすことなく、不意打ちで移収を敢行し、それを事後報告でしかも祝日に伝達してくるという遣り口に対してである。翌24日の接見が空振りになってしまった会員もいた模様である(接見に行って施設丸ごと停止していたら、それは困惑するだろう)。
会長談話では「警備の問題があるとはいえ」と一定の理解を示すが、防御権への配慮を欠いたことに怒りが収まらない様子である。
例えば「弁護士限定」で移収情報を開示しておくわけにはいかなかったのだろうか。口の軽い弁護士が「来週になったら移収だしねぇ」みたいに漏らしてしまうことを憂慮したのだろうか。
弁護士だから保秘が徹底されるという気は毛頭無いが、裁判所、検察庁、ついでに警察は知っていただろうから、弁護士会だけが「漏洩の可能性大」と評価されて蚊帳の外に置かれることに、合理性は感じられない。なにより、翌24日を含む接見計画が頓挫してしまうことによる防御上の支障への配慮が些かもない(例えば翌営業日に被告人質問を控えていたら悲惨であることは余程乏しい想像力でも分かるだろう)点では、やはり、字義通り役所じみた、一方的、聞く耳を持たない遣り口と言わざるを得ない。

弁護士を軽侮し、防御権に頭が回らない役所に弁護権の枢要部分を預けざるを得ないことへの悲哀を感じる逸話である。

このように、祝日を期して不意打ちを仕掛け、且つそれを悪びれず祝日に通知してくる役所があるかと思えば、真逆なのが公安調査庁である。
代理人弁護士から急ぎの連絡があると言うことで、ファクスを送ろうとすると「番号は教えない」。やむなく電話で読み上げると一方的に電話を切る。しょうことなしに電報を送るも「休日は受領しない」として突っ返す。(そのくせ、立入調査は祝日だろうと夜だろうとやってくる)

祝日返上で弁護活動を妨害してくる役所があるかと思えば、祝日を盾に弁護活動を妨害してくる役所もある。共通して言えることは、一方的な価値観に染まり、弁護活動への配慮が出来ない体質だと言うことである。本欄ではお馴染みの言い方になるが、自分が弁護される側に立たされること~取りも直さず弱者側の視点~に思い至らないのだろう。

(弁護士 金岡)