警察官が、協力を拒んでいる参考人(被疑者的要素はない)の居住するオートロックマンションのセキュリティを突破してマンション内に侵入したこと等が違法であるという国賠訴訟を提起した。
大阪府警の案件なので、大阪府が被告である。

このマンションは、オートロックにより入館者を制限している上に、相当数の防犯カメラで入館者の行動を追跡できるので、この警察官が何をしたのかは客観的に判明している。
他の住人がオートロックを解除したのに乗じて侵入し、マンション内に居座ること数時間。一度、出て行き、再び他の住人がオートロックを解除したのに乗じて侵入し、また1時間以上うろうろ。駐輪場を覗いたり、別の通用路を通ったり・・防犯カメラで観察していると、泥棒が物色しているとしか思えない。
某党の支援者のビラ配りであるとか、ナントカ隊に反対するチラシを配ることは、建造物侵入罪として立件されるが、はたして警察官であれば許されるのだろうか?問うまでもなく答えは明らかであるが、話の通じる手合いではないので国賠しかないというわけだ。

ついでにこの警察官は、原告の拒否的態度に腹を据えかねたのだろうか、2時間30分の間に14回もの不在着信をやらかす有り様である。
先日記事にした公安調査官だの、警察官だのは、(誤解を恐れずいえば)「ヤクザまがい」「ストーカーまがい」をやらかす。そして当たり前だが自分らを取り締まることはなく、勝手にお咎め無しの領域を作り上げている。

市民が、私財を投じて国賠訴訟を起こすというのは、よくよくのことである。
代理人弁護士としても全く採算には合わないのだが(正月休みから何時間もかけて防犯カメラを分析していると、ふと我に返る時があった)、意気に感じればやるしかないのである。

(弁護士 金岡)