接見等禁止決定が条件付きで部分解除されることは珍しいものではない。
特定人との関係ですら、どうしても接見等禁止決定が解除されない場合に、妥協的に、「取りあえず1回限定で」とか「特定の話題限定で」とか、或いは「弁護人同席で」等と、あの手この手で、刑訴法81条の要件が欠ける環境調整を弁護人から行うことは、それほど全く知られていない手法というわけでもないだろう。

なお、刑訴法81条の要件に、どの程度を要求するかについて、検察の発想は論外として、裁判所も、どうやれば立会付き短時間の一般面会で実効的な罪証隠滅に漕ぎ着けられるのか理解不能という決定を連発する事態は依然として止まない。
前記妥協策は所詮は、実を取るための弥縫策であり、根源的なところは、例えば裁判官資格に刑事弁護経験5年を課す等して、根本から意識を変えていくしかないと思う。

と、それはさておき、件名である。
前記の通り、弁護人から妥協的環境調整を行い、条件付き一部解除に漕ぎ着けることはままあるのだが、今回、こちらから特に条件提示したわけでもないのに、裁判所から条件の付された一部解除決定を得た。
曰く、「接見においては、本件被疑事件に関する会話をしてはならない。」「書類の授受においては、本件被疑事件に関する書き込みのある書類を除く。」とある(名古屋地裁2025年11月26日決定)。
こういうのは初めて見た。流行っているのだろうか?

なかなか評価が難しい。1つめは、(適法かどうか疑問があるが現実問題)立会官は事件に関する話を制止するから、条件と言えるほどだろうか、とも感じる。明確にしておくという意味で一定の効果はあるだろうが。
2つめは、なかなか盲点を突いた条件だと感じるが(刑事施設の権限で授受を禁じることは出来ない)、逆に刑事施設に判断できるのだろうかという疑問が生じる。
ともかくも、裁判官なりに、検察官の不服申立が出ないよう、思案したのではないかと思われ(午前申立なのに(しかもその事件に前件関与、前々件関与・・をしている、いわば通暁した裁判官なのに)、判断を翌日送りにされた)、まあそういう意味で、接見等禁止決定の人権侵害性に悩まず、安直な判断に逃げる裁判官よりはましであろう。

(弁護士 金岡)