本年4月に本欄で報告した松阪簡裁2026年3月17日判決について、費用補償決定が出たので、今回はそちらを報告する。

2023年1月に受任し、判決が2026年3月。
公判期日5回に打合せ期日14回(うち4回は現地出頭した)。
被害者尋問、検証の立会人尋問、警察官3名の尋問。被告人質問は行わず。
弁論は35頁。

と、まずは客観的な数字を並べてみたが、国選弁護費用基準で算定すると、着報の合計が10万0500円に、全部無罪加算が10万0500円、結局、20万1000円ということになる。税額調整に謄写費用など認められる実費を盛り込んで、41万9121円ということになるらしい。

が、今回の決定(松阪簡裁2026年6月19日決定)の面白いところはここからで、基本的には国選基準に準じるものの「事案の内容等に応じ、弁護活動のため必要かつ相当と認められる範囲の費用については訴訟準備費用として考慮に入れた上、適正な報酬額を定めるべき」との規範の下、①争点である過失について二度の訴因変更がされたこと、②公判審理を約2ヶ月という短期で行ったこと、の二点を挙げて、結局、補償すべき報酬総額は70万円が相当という結論になっている。

①②のような訴訟経過を、弁護人の負担の大きさに反映させて、相当額を加算したと読めば、まあ、面白い決定ではあろう。
勿論、(謄写費用などが込み込みであることを度外視しても)弁護士費用総額70万、つまり着23万、報酬46万では、3年以上を費やし、微に入り細を穿った調査も尽くした弁護活動の対価としては、(残念ながら)お話にならないのではあるが。

(弁護士 金岡)