実に不愉快な出来事があったので報告したい。
合理的に推認して、裁判所と検察官の癒着が疑われると評価できる事態である。

2025年3月、証拠裁定請求を行った。
その後、審理は長期化して、2026年8月3日の打合せ期日でようやく、裁判所が夏期休廷前(8月7日、遅くとも8月10日)に判断を示す、という方針が示された。
裁判所は、打合せ期日において、検察官に対し、これ以上の追加開示は検討しないのかを確認し、検察官は、8月6日までに確答する、としたが、その後の協議で、8月5日までに確答する、ということになり、その後、8月5日付けで調書10通を追加開示するという連絡が、8月7日、弁護人に届けられた。

上記の流れで、(弁護人は勿論、追加開示の謄写すら未了だから判断を見合わせるよう求めたが、裁判所は無視した~このことはまた別の問題を孕むが今回は割愛する~)裁判所の判断が示されたが、結論は棄却で、理由中に、要旨「追加開示された10通以外に開示すべきものはない」という判断理由が示されていた(東京地裁刑事第6部、矢野直邦裁判長、石井孝明裁判官、星川竜儀裁判官)。

以上が、客観的な事実経過である。
要は、裁判所が「本当に追加開示を検討しないのか」と水を向けると、検察官がこれに呼応して決定直前に対応すると呼吸を合わせ、検察官が10通を追加開示すると、裁判所がそれに呼吸を合わせるが如く「これで全部開示されたから棄却する」という流れである。

ここに癒着、談合を疑わない方が無理というものだろう。
❶裁定事件係属後、1年5か月も経過した結審間際になって、追加開示に水を向ける裁判所の行動自体が不審であり、❷1年5か月も開示してこなかったものを、ものの数日で開示するかもしれないと応答(その後に現に開示)する検察官の行動も不審である。❸そして検察官が開示した10通が正しく「満額回答」で、1通の過不足もなく請求棄却に直結するという、偶然にしては出来すぎた物語。
どう考えても、「この10通を開示しないと負けるよ」という耳打ちがされていたと疑われるのである。

この疑惑に共感するかどうか、それは読む人の自由(というより健全な事実認定能力の問題)である。
しかし弁護人としては、堂々と開示勧告するならともかく、陰でこそこそと、検察官に敗訴を免れるための耳打ち(それも「10通」を名指ししただろう具体的助言)を行っただろうとしか思われないところである。なので、裁判体3名の名前も明示し、取り上げた次第である。

(弁護士 金岡)