季刊刑事弁護100号が発刊された。
100号記念企画で、「全国刑事弁護人アンケート」が掲載されている。
単位会(の刑弁委)推薦と編集部推薦の刑事弁護人100名を対象とするので、各地域から52名、編集部推薦48名という塩梅であろう(有効回答92名)。勢い、綺羅、星の如くの東京大阪で名の知れた先生方が何名も掲載できないことはやむを得ず、「刑事弁護人名鑑」としての完成度が高いとは言えないものの、それなりの充実度はありそうだ。

手前味噌だが、私には、単位会推薦と編集部推薦の両方が来た(「処置騒動」で反省に乏しい単位会の推薦は心情的に拒否したが、結局、代わりの被推薦者は居ないような・・)。
流石にどうかと思う、或いは下世話なアンケート項目も多く、難渋したが(前者の典型は⑯「この人なら負けても仕方ないと思える裁判官」であろう。そんなのいるわけがなく、大多数が黙殺もしくは「いない」「いるはずない」としていることがなによりの回答であったと言える。)、なんとか回答し終えた。

一部の「通」を除けば、真っ先に無罪件数(③)を見たくなるだろうか。某弁護士から「エージシュート」を唆されたが(つまり経験年数分の無罪を得るということ)、丁度、丸17年の私で11件と申告した。
悪くない率だとは思うが、全国にはまだまだ猛者がいる。37年で40件、11年で9件、30年で18件、13年で8件、31年で16件(大体が東京か大阪)、・・見方を変えれば、毎年のように冤罪に関わらざるを得ない弁護士がこんなにいるのだと言うことに驚かされよう。
ともあれ、偶にはこういうアンケートも(項目はもう少しなんとかして貰いたいが)面白いし、そこに居られることの価値も感じる。
次は200号アンケートになるのかも知れないが、まだ現役だろうし(25年後なら、現行制度では、まだ年金も貰えない年齢である)、200号アンケートでも声をかけて貰えるよう、続けていきたいものだ。

(弁護士 金岡)