この程、愛知刑事弁護塾より保釈の研究書を出すこととなった。
私が中心となって手がけたGENJIN刑事弁護シリーズ22の「準抗告事例99」と趣向は同じで、不服申立にもつれた結果、裁判所の判断理由が示された「保釈事例90」を収録し、様々な方向から分析を加えたり、問題点を指摘したり、というものである(勿論、同シリーズに連なることになり、現代人文社からの刊行である)。

収録内容としては、小論集が12章立て。第1章は最終的に無罪判決が得られているにもかかわらず保釈が難航した事案の分析、第3章ではそれなりに進歩的と思われる事例紹介、いわゆる上訴保釈の研究や(第10章)、不服申立審で判断が変更されている事例の判断理由の探求(第12章)等々である。更にコラムが9点。否認事件における早期保釈事例を数えてみたり、保釈取消について語ってみたりと、様々である。
加えて、本書では著名弁護士4名に思い思いに保釈について語って頂く寄稿を御願いし、これも収録している。

近時の同分野の実務書としては、「令状実務詳解」があり、これを避けて通れはしないものの、本書はやや次元を異にしているといって良いのではないか。このあたりは、世の評価を待ちたいところである。

順調にいけば12月7日に発売される。是非、御覧頂き、御批評頂きたい。

(弁護士 金岡)