日本評論社から標記の書籍が出版された。
直球ど真ん中の研究書、実務書、啓蒙書である。

当事者もしくは当事者に近しい立場から、弁護人立会の必要性を説く第1部。
理論的研究、国際法における位置付け、諸外国の実情を紹介する第2部。
そして第3部は私も参加させて頂いた座談会である。
多角的な話題が網羅的に検討し尽くされており、この1冊で全てが分かる。あとは弁護人が骨肉に染み込ませて実践あるのみであろう。

手元にお届け頂いたが所詮は座談会のみの関わりなので、未だ通読は適わないが、拾い読みした限度でいうと、第1部の村木報告は、勿論、いまなお迫力があり実感を伴う(但し、弁護人の助言を得てからは調書にしっかりと訂正を申し立てられた趣旨の部分は、現代的な方針ではないだろうことに注意を要する)。
同じく水野論文は、真相解明機能の観点からの反対論を検討し、慎重に検討した結果、現代的捜査手法の拡大も加味して、最早、反対論の論拠とはならないだろうとされている。理由付けは全く異なるが(このあたりは座談会を読むと分かって頂けるかも知れない)真相解明機能の観点が問題とならないことは同感である。
井戸報告は、湖東病院事件について、元被告人の方には連日接見も無力で、立会しかなかった趣旨を指摘される。こう言う場合はこう言う場合で一定の戦術はあるが、無論、立会にまさるものはない。「これこれこうすればなんとかなるでしょ」に甘んじなければならない理由はなく、最善最高の手段を以て防御するには端的に立会しかないことは明瞭である。
第1部では更に、弁護実践の事例報告が複数、掲載されている。片山報告では、一質問毎に弁護人と打ち合わせに部屋を出る手法が、最終的に逮捕の必要性を高めた理由に転用されていたという衝撃の~尤も名古屋高裁的には当然の~事実が語られている。改めて今こそ、難癖を付けられないように(そして愚かしい裁判官が乗っかってしまわないように)法制化しなければならないということだろう。

さしあたり第1部を摘まみ食いで紹介してみた。
是非、お手元に一冊、置かれると良いかと思う。

(弁護士 金岡)