事件数の整理、3年目。

刑事事件は、今年更に裁判員裁判を2件、受任した。他方、判決に至ったものはないので、結局、増える一方である。他地域の方が多いこともあり、限界も近いかもしれない。
また、控訴審(から)の受任が急増した。一から新たに事件を見直しつつ、第1審の不十分な点を手当てし判断の変更を求める控訴審は、第1審より労力が大きい側面がある。この1年、破棄判決は1件しかなく、十分に期待に応えられているとは思えないが、少なくとも控訴審でもある程度の証拠開示、事実調べに入っている事案は多々あるので、もう一息二息であろうか。

行政事件は微減。名古屋入管が明らかに収容を強化しているため、依頼者の負担感は増し、こちらも国賠などに踏み切らざるを得なくなり、状況は悪化している。地裁行政集中部の判断も近年で(わけても根本的な価値判断部分において)最低水準である(今年だけで名古屋高裁が少なくとも6件は破棄していることは~何れも私の担当案件ではないが~決して偶然の事情ではあるまい)。

民事事件は、体感的にはやや増えている。刑事・行政と異なり、早期解決していく案件も多いので数字上には現れていないが。後見業務(家事事件に分類すべきかも知れない)はここ2年で4件目。一方当事者としてではなく中立の立場からの親族紛争への介入、刑事事件における福祉との連携とはひと味違う連携等を求められ、十二分な専門性を身につけるにはまだまだ勉強が必要そうである。

家事事件は、遺産調停も離婚調停も増えた感がある。研修に出席しなかったためか、愛弁の相続事件専門相談員資格がなくなったようだが、(事柄の性質上、やむを得ないとは言え)能力本位とは懸け離れた運営になっているなぁと思う。余談だが、研修の途中に発表される合い言葉を控えておかないと受講履歴に残らないとか、その遣り方は随分と幼稚化していると思わざるを得ない。自覚に基づく自己研鑽では信用されない時代と言うことか(まあ無理もない)。

H26.10 H27.10 H28.10
刑事事件 捜査 3 2 2
第1審 (裁判員) 10 (1) 12 (3) 11 (5)
控訴審 1 4 8
上告審 1 0 1
再審 3 3 2
行政事件 訴訟 20 21 18
交渉 9 9 7
民事事件 訴訟 29 22 22
交渉 18 18 18
執行 3 4 4
原発ADR 1 2 3
その他 (後見、上記以外の債務整理等) 3 6
家事事件 交渉 11 5 2
調停 4 1 6
訴訟 2 3 2
総計 115 109 112

(弁護士 金岡)