先日、急遽、接見が必要になり、平日9時台、某署の代用刑事施設に赴いたところ、「予約していないと基本的に接見できない」に始まる実に乱暴な対応を受け、かつ、予約がなかったため対応できる職員がいないという理由で結構な時間、待たされるという目に遭った。

(本欄で好意的に取り上げている)事実上の予約の運用は、「予約していないと基本的に接見できない」ものではない。それに、平日9時台に接見に行って職員不在で待たされるなどと言うのは「留置管理」の名に悖る職務怠慢も良いところだと思うが、それはそれとして、「予約していないと基本的に接見できない」等という心得違いをされては困ったものなので、取りあえず苦情を申し出、調査を要求した。

すると・・調査の結果「そんな発言はしていません」という紙切れが。
依頼者からの伝聞で言った・言わないになるならともかく、自分自身の経験事実をこうもたやすく否定されては適わない。

尤も、警察官が嘘つきだというのは今に始まったことではない。裁判官の論文でも偽証しやすい類型として取り上げられているし、公務執行妨害系をはじめとして無罪に至る事案は大なり小なり、警察官の偽証がある(違法収集証拠排除される事案もまた然り)。
従って、驚きはしないものの、毎度、空気を吸うように嘘をつかれてはうんざりだ。まさか、ありもしない被害を言い立てて苦情申出をするほど、暇だと思われているのだろうか。まあ、調査したと言うことが嘘でないなら(噓の可能性も十二分にある)、その職員は心得違いの指摘を受けたわけだから、噓はついたものの内心には楔が打ち込まれ、反省するきっかけにはなったはず、と思っておこう。

(弁護士 金岡)