被害者側を受任し、加害者側と示談交渉に着手する。
よくあることだが、加害者が(おそらく)「是が非でも立件したい筋の人」であったために話がややこしくなった。
示談交渉着手を聞きつけた警察は、被害者に対し「被害届を取り下げないよう」要求。私が介入するも、人づてに「被害届を取り下げた場合、被疑者扱いして逮捕する可能性がある」と連絡して寄越す。
実に阿漕なやり方である。
示談交渉を成立させたが、途端に、警察・検察口々に、「被疑者扱いで事情を聞く。被疑者扱いだから強制だ。」と、こうきた。
警察、検察の嘘、国家権力を振りかざした恫喝は文字通り見飽きているが、被害者が自らの判断において紛争解決の有り様を選択したというのに、それを認めず恫喝する。昨日まで被害者として協力を求めながら(「被害届を取り下げるな」)、今日には被疑者扱いする。被害者は市井の人に過ぎないので、当然、怖くなる。
昨日までの被害者すら、こうやって不任意の供述強要を受ける世界なのだと実感する。

(弁護士 金岡)