件名の「調査結果の概要」を入手して読んだ(まだ一般公開されていないかもしれない)。
この種の統計的読み物の常として読み方が難しい。
正確に読めているか心許ないが・・以下、雑感を。

刑事分野に「注力レベル」が高い・低いで区分けして意識調査を行った結果として、例えばということで拾い上げると、
・知的、技術的難易度の高さについては、「注力レベル」が最も高い弁護士層で、高度であることを肯定する割合が最も高いこと、
・刑事弁護の「社会的意義」の大きさについては、「注力レベル」において全ての層で「大きい」という意識が圧倒的であること、
・刑事弁護分野が他の多くの弁護士から尊敬されるか、については、「注力レベル」が最も高い弁護士層で最も否定的であること、
・収益性についても、「注力レベル」が最も高い弁護士層で「他のレベルの弁護士と比べてより下方に集中している」こと、
等が目を惹いた。

してみると、刑事弁護士は、刑事弁護への注力レベルに関わらず広く弁護士層において社会的意義の担い手として認知され(この「社会的意義」にプロボノ活動的な公益的意義が混ざっていないか少し不安が残る)、しかも注力レベルの高い層では自身の仕事の知的、技術的高度さにも自負があるというのに、「他の多くの弁護士から尊敬されているか?」と問われると否定的であり、かつ、低い収入に甘んじているという、複雑さである・・が、調査結果が強ち間違っているとも思えないから始末が悪い。

雑ぱくにいうと、少なくとも憲法31条以下の体現は、捜査段階、公判段階、事後救済としての国賠等で、刑事弁護人にしか為し得ないことに、気概と誇りを持つこと、なんらかの形で収入面でも伴うところがなければ、数年で擦り切れて他分野に移行していく人材流出が止まらないのではないか、と心配になる。

(弁護士 金岡)